ホーム > キーワードコラム >[第2回]AKB48総選挙を振り返ってみる。
keyword column 気になる旬の「検索キーワード」をピックアップして分析
2011年7月21日(木)

[第2回]
AKB48総選挙を振り返ってみる。

梅雨も最中の6月、混迷を続ける実際の政治を横目に、第3回AKB48選抜総選挙が行われました。投票券付CDを大量に購入した人物が話題に上ったり、「江口愛実」なる名前が浮上したりなどと選挙期間のみならず選挙終了後も大いにメディアを賑わせていました。

第2回となる今回は、何かと世間の耳目を集めたAKB48選抜総選挙を検索数から振り返ってみたいと思います。

まず、手始めに4月から5月にかけての各メンバー(※)の検索数を見ることから始めてみます。 (※以下、選挙結果が公開された40名のうち検索数についてのデータが取得できた33名のメンバーに関しての記述となります。)
図1は4月から5月における1日当たりの検索数を表わしたものです。"神7"と呼ばれている「前田敦子」「大島優子」などの7人のメンバーは評判通りに安定している印象を持ちます。
これらのメンバー以外では「柏木由紀」「指原莉乃」の健闘が光ります。

図1

検索数から見ると、上位の5人にはすでに序列が出来上がっており、それに次ぐ4人の第2グループとそれ以外のグループというような印象を受けます。

次に、投票期間である5月24日から6月8日における各メンバーの1日当たりの検索数を見てみることにしましょう。

図2

図2は、4月から5月にかけての1日当たりの検索数と、5月24日から6月8日にかけての1日当たりの検索数を重ねたものです。両期間の検索数を比較してみると、上位陣に加えて「柏木由紀」「指原莉乃」「秋元才加」の検索数の増加が目にとまります。
実際、昨年の8位から3位に躍進した「柏木由紀」や昨年の19位の「指原莉乃」の健闘はメディアでも取り上げられた通りであり、検索動向からも裏付けられていると思えます。
また、「前田敦子」は他のメンバーよりも検索数の増加が一歩抜きんでているように見えます。この点はおそらく『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの“マネジメント”を読んだら(以下『もしドラ』)』によっての影響が大きいのではないかと思われます。 『もしドラ』は「前田敦子」が主演の映画であり、しかも公開日が選挙期間まっただ中の6月4日ということもあり、「前田敦子」を検索した一般ユーザーもそれなりにいたものと推測されます。

さて、次に投票期間における各メンバーの検索数と選抜総選挙における各メンバーの得票の関係を見ていくことにしましょう。 各メンバーの投票期間における検索数と選抜総選挙の得票数との関係を示した散布図が図3となります。

図3

散布図からも明らかなように、検索期間中の検索数と選抜総選挙の得票数とは全体的に強い関係性が見受けられます。 実際、投票期間中の検索数と選抜総選挙の得票数の相関係数は0.94となり、非常に強い相関があることが分かりました。 ただし、散布図を眺めると、TOP2の「前田敦子」「大島優子」に引っ張られて強い相関を示しているようにも見えるので、この2つのサンプルを除いて再度相関係数を見てみることにします。

結果は0.87という値であり、TOP2を除いたとしても、十分に強い相関があることが分かりましたので、検索数と選抜総選挙の得票数との間には相応の関係性があるものと結論付けられそうです。
さて、図3の散布図を再度眺めてみると、漫然と散らばっているようでもなさそうなので、今回のAKB48選抜総選挙をこの散布図から読み解くことを試みてみましょう。

検索数、得票数がそれぞれどのような情報を表わしているものと捉えるかは、人それぞれによって様々な解釈があり得るわけですが、ここでは、検索数を「一般的な知名度・人気の広がり」と捉え、一方で得票数を「ファン層での人気・ファンとのリレーション」として捉えるものとします。このように考えると、今回の選抜総選挙の結果から各メンバーを4つのグループに分けることができ、それぞれのグループを、「知名度も十分で他の追随を許さないファン層を持つ第1グループ」、「知名度もファンも十分の第2グループ」、「ファンはしっかり掴んでいるものの知名度でやや弱い第3グループ」、「誰が抜け出すか混戦必至の第4グループ」、というように言えるのではないでしょうか?
共に第2グループに属しながら明暗を分けることとなった「板野友美」と「柏木由紀」ですが、今回のこの結果は「人気と認知の差」、あるいはファンの希薄化という観点から説明がつけられそうです。

つまり、イメージモデルとしての起用やCMの出演などによって、世間一般での認知度が向上した「板野友美」でしたが、そのような人々の認知からは、選挙において「支援してあげたい」と思うような人気が醸成されるには十分ではなかったのではないでしょうか。 これは、コアなファンを持つと思われる第3グループに属するメンバーの得票数を下回っていることからも推測できます。

図4

さて、最後に検索数推移を確認していくことにしましょう。全てのメンバーの検索数推移を見るにはメンバー数が少々多すぎるので、先述の第1グループから第3グループに属するメンバーに絞って見ていくことにします。
検索数の規模感が異なることもあるので2つに分けて見ることにします。
まず初めに、第1および第2グループから見ていきましょう。5人のメンバーの投票期間における検索数の推移は図5の示す通りとなっています。

図5

5人のメンバーの中で際立って異なる傾向を示しているのは「前田敦子」ですが、やはり6月に入ってからの検索数の伸長が著しく、『もしドラ』公開による影響の大きさを示しているものと捉えられそうです。
『もしドラ』と「前田敦子」の検索数の推移を照らし合わせて見ると、公開日となる6月4日を挟んで「前田敦子」は大幅な増加を示していますが、これは公開直前の盛り上がりと公開後の映画の感想や注目度を表わしているように思えます。

図6

また、他の4人の中では「篠田麻里子」の傾向がやや異なっているようです。他のメンバーに比べ、選挙期間中の検索数推移は相対的にフラットとなっています。選挙の序盤に盛り上がりが見えないことから、AKB48のメンバーとしての「篠田麻里子」というよりも、むしろ「篠田麻里子」個人に対してのファン層がいるような印象を受けます。

次に、第3グループの4人のメンバーの投票期間における検索数の推移を見ていきましょう。検索数推移の状況は図7の通りとなっています。

図7

傾向が異なるのは「指原莉乃」ですが5月26日と5月31日に検索数が著しく伸びています。これは、選挙の速報・中間発表を受けてその躍進ぶりが報道されたことに起因するものと思われます。
他の3人のメンバーに関しては、得票数もかなり競ったものでしたが検索数推移の傾向に関しても非常に近しい様相を呈しています。

来年も、AKB48選抜総選挙は行われることになるのでしょうが、今回の第3グループから抜け出すメンバーがいるのか、または第4グループから一気に、第2グループへと躍進するメンバーが現れるのか、また検索数と得票結果の関連性に変化が生じるのか、など興味は尽きないものといえるのではないでしょうか。

コラムについて

クロスリスティングのサービス

facebook

twitter