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【参院選2013】検索ワードで探る国民の関心

検索から見えるオーディエンス分析

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 2013年7月の参議院選挙はネット選挙解禁ということで話題を集め、各メディアから「インターネット」と「投票」に関する様々な分析レポートが発表されました。興味深いレポートが多数ありましたが、ここでは少し違った切り口で分析してみようと思います。

最も多く検索された政策テーマは!?

 各政党・候補者がしのぎを削った選挙期間、国民はいったいどんな争点を多く検索していたのでしょうか?それを探るため、公示日から投票日(2013年7月4日~7月21日)の検索データを集計し、以下の主要な政策テーマに関する検索をしたUU数を調査しました。なお、キーワードは“直接的にその政策テーマに関心を持っている”と判断したものに絞って集計しています。

2013年参院選の政策テーマと集計キーワード-2

2013年参院選検索UU数1

 

 上位を見てみると「雇用」に関する検索が23%で最も多く、1%の違いで「原発」が2位となっていました。次いで「消費増税」が16%、「改憲」が13%と続いています。対立軸として賛否がはっきりしているテーマほど多く検索される傾向があるようです。一方、「外交」「社会保障」「公共事業」は他の政策と比較するとあまり活発に検索されておらず、5%未満に留まる結果となりました。

 世論調査による“重視する政策”と比べてみると、関心の傾向として同じ部分も多く見受けられますが、「原発」「改憲」「TPP」においては検索データのほうが強い関心が表れており、異なる結果となっていました。
(世論調査 参考元:【朝日新聞デジタル ニュース「参院選、「景気・雇用」重視76% 朝日新聞社世論調査」(6/25)】

 「原発」「改憲」「TPP」に共通する点として、これらと一緒に検索されるキーワードに「賛成/反対」「政党名」に関連する内容が多く見受けられました。“重視する政策”としては選ばなくとも、賛成と反対で大きく意見が分かれる政策として高い関心があったことがわかります。

検索データから見えた、各政策の関連性

検索ワード分析では、例えば、特定の政策テーマを検索した人が他にどんな検索をしていたのか、といったデータも抽出することができます。さっそく見てみましょう。

 下の表は、左列の政策を検索したUU数を母数として、他の政策の出現頻度をスコア化したものです。数値が大きいほど、政策同士の関心の重なりが大きいと言えます。


■政策を検索したユーザーによる、他の政策の検索割合


(1~10でスコア化)
2013年参院選―政策を検索したユーザーによる他の政策の検索割合-1

  ※一定の検索UU数に満たない場合は「-」としています。

 

同一の検索ユーザーが特に多い政策
 ・「TPP」 検索ユーザーにおける 「原発」
 ・「消費増税」     〃 「雇用」

 いかがでしょう。想定通りの結果と思われる方もいるかもしれませんが、この検索データから以下の事実がわかります。
 ① TPPに関心のある人は原発にも関心が高い
 ② 消費増税に関心のある人は雇用にも関心が高い

 また、ユーザーの関心の重なりとは別に、それぞれの政策テーマが日別でどのような検索動向にあったのか検索UU数の相関を調べてみました。全組み合わせの相関係数は以下の通りです。


■日別検索UU数の相関係数


2013年参院選ー政策にかんする日別検索UU数の相関係数
  (2013年7月4日~7月21日)
  ※相関係数:1に近いほど正の相関が強く、-1に近いほど負の相関が強い
  ※あくまで相関であり、因果関係を示すものではありません

 

結果、以下の組み合わせにおいて強い相関が表れていました。
 ・「雇用」と「消費増税」
 ・「雇用」と「景気・経済対策」

 これは“雇用に関する検索と、消費増税・景気に関する検索は同じ時期に上昇し同じ時期に下降している”ということを表しています。

 実際の検索UU数推移を線グラフにすると下図のようになり、相関の強かった組み合わせの推移が似ていることがわかります。


■7月4日を基準とした場合の検索UU数推移


2013年参院選検索UU数推移-2

 

分析のまとめ

 関心の重なり/検索推移の相関、2つの分析結果において、「雇用」と「消費増税」の組み合わせは、どちらも高い数値でした。雇用=収入に対する関心、消費増税=支出に対する関心と考えると、“家計の収支に直結する”という点で共通しています。

 また、雇用と相関の強かった「景気・経済政策」は、一緒に検索されるキーワードに「回復」「仕事」「バブル」などが見受けられ、自民党の経済政策に関する公約の中の「雇用と所得の増加へ」というメッセージにあるように、成長戦略による所得増加への期待が大きいと考えられます。

 これらのことから「雇用」「消費増税」「景気・経済対策」といった家計の収支に関わる政策は、どれか一つではなく複数にまたがって関心を持たれているということがわかります。

 以上の検索ワード分析の結果から、参院選における自民党圧勝は家計の収支に関わる公約が一つではなく複数同時に支持されたことが要因の一つと言えます。

 

 今回は選挙をテーマに分析しましたが、このコーナーでは、政治、ビジネスからエンターテイメントまで、あらゆるテーマを取り上げていこうと考えています。
中には「そんなコト調べてどうするの」といった内容もあるかもしれませんが、毎回、何かしらの発見をお届けしたいと思います。ご期待ください!
最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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トップ画像引用元:National Diet Building by Dick Thomas Johnson, on Flickr

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この記事を書いた人
KANAI
KANAI
以前は紙媒体の広告制作に携わっていたが、2009年にクロスリスティングにジョイン。インターネット業界に転職したきっかけは「自分の作った広告が、誰に見られ、どんな反応をもたらしたのか」を知りたかったから。現在、レモーラリスティングの運用コンサルティングや検索ログ分析を担当している。