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NISA(ニーサ)の認知・関心状況を徹底分析!

検索から見えるオーディエンス分析

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NISAとは

 NISA(少額投資非課税制度)は、2014年1月から始まる新しい投資優遇制度※1です。剛力彩芽さん出演のTVCMで知ったという方も多いのではないでしょうか。10月1日から始まったNISAの口座開設受付では、初日だけでなんと385万件もの申請があったそうです。政府が目標とする利用者数は開始後7年間で1,500万人なので、初日で目標人数の約4分の1を達成したことになりますね。

 今回はいま注目を浴びているNISAについて、検索動向関心ユーザー層といった観点から分析してみたいと思います。なお、分析テーマにNISAを取り上げた理由として、新しい言葉やサービスがターゲットに浸透していく過程を可視化するという目的もあります。

※1 NISA … 口座で購入した上場株式や株式投資信託等の配当金や売買益等が、最長5年間非課税になる制度。

NISAの検索数がぐんぐん上昇!

 NISAという名称が決まったのは2013年4月30日です。NISAを含むキーワードの月間検索数の推移を見てみると、5月から9月にかけて約8倍に上昇していました。10月からの口座開設受付を目前に控え、証券会社・銀行のプロモーション活動や各メディアでの露出が活性化したことによって、9月に大きく認知・関心が高まったと考えられます。
(本分析ではカタカナの「ニーサ」もNISAとして集計しています)
NISAを含むキーワードの検索推移

“投資デビュー層”の関心が加速中!

 NISAを含むキーワードで検索した人のうち、過去に投資関連ワード(株価、投資信託、資産運用など)を検索したユーザー群を「投資関心層」、それ以外のユーザー群を「デビュー層」と定義して分類。それぞれの月別の検索数割合の推移をグラフで表しました。
投資関心層とデビュー層の検索割合の推移
 このグラフから、NISAに関する検索は月日が経過するとともに、今まで投資に関心の低かったデビュー層の割合が増えていることがわかります。NISAの導入は投資未経験者や若い世代にも投資による資産形成を促す狙いもあり、日本証券業協会のTVCM(剛力彩芽さん出演)においても“祝!投資家デビュー!!”というメッセージが掲げられていました。検索動向を見る限り、デビュー層への認知拡大は十分に効果が表れていると言えます。

 次に、関心の高さを比較するため、NISAを含むキーワードのユーザー1人あたりの検索数を調査しました。1人あたりの検索数が多いほど同じ人が何回も検索していることとなり、関心が高いと考えられます。
NISAを含むキーワードの1人あたりの検索数
 投資関心層の1人あたりの検索数は5月からほぼ変わらず約1.8回で推移していました。一方、デビュー層は9月-10月にかけて1人あたりの検索数が大きく上昇し、10月時点では約2.1回と、投資関心層を約17%上回っています。このデータから、デビュー層は特に9月以降、NISAに対する関心が急激に高まっていることがわかりました。

投資関心層は「リスク」に、デビュー層は「キャンペーン」に関心が高い

 それぞれのユーザー層における5月と10月のNISAを含む検索キーワードを集計し、比較したところ、両者の関心に違いがあることがわかりました。なお、1位はいずれも「とは」で、意味を調べる目的の検索となっています。
NISAと一緒に検索されたキーワードのランキング
 投資関心層の検索キーワードランキングを見ると、5月は「キャンペーン」「比較」といった申し込みに関連するワードが上位であるのに対し、10月では「落とし穴」「塩漬け」と、リスクや懸念点に関するワードが上位になっていました。ちなみに「塩漬け」とは、“購入した銘柄の株価が大幅に下落してしまい、売るに売れない状態”を指す投資用語です。
 デビュー層はというと、5月はレビューや銀行名が上位となっていますが、10月は「キャンペーン」「比較」が上位です。面白いことに、投資関心層の5月の検索キーワードと同じ傾向が表れています。
 これは、5月に投資関心層が気にしていたことを、10月にデビュー層が気にしているということです。投資関心層の関心内容が、やがてデビュー層の関心内容になるのであれば、今後のデビュー層の関心は「落とし穴」など懸念点になっていくと予想されます。

 なお、口座開設を検討している人がリスクや懸念点を調べることは、必ずしもネガティブであるとは限りません。そもそも申し込む気が無ければリスクや懸念点を調べる必要もないので、こうしたネガティブなキーワードで検索をする人はむしろ、口座開設を真剣に検討している状況と考えていいでしょう。

ユーザー分類別にマーケティング戦略を考えてみた

 さて、せっかくNISAに関する分析を行いましたので、最後に「証券会社・銀行がNISAの申し込みをいっそう拡大するには」をテーマにマーケティング戦略を考えてみました。検索ワード分析から見えたユーザーの特徴や興味関心を踏まえると、投資関心層・デビュー層それぞれの傾向に合わせてアプローチすることが重要と思われます。
投資関心層とデビュー層へのアプローチ提案

 2014年1月以降はきっと、実際にNISAをはじめた人のブログや口コミなどにより、メリットもデメリットも含めて多くの情報が出てくることでしょう。今のところ全く興味を持っていない人も、もしかしたら友人や著名人などの声によって関心を持つかもしれません。
 果たしてNISAが日本に定着するのかどうか、また、投資関心層・デビュー層の関心がどのように変化していくのか。今後の検索動向について、機会を見てまたご紹介したいと思います。

 

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トップ画像引用元:Image courtesy of scottchan / FreeDigitalPhotos.net

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この記事を書いた人
KANAI
KANAI
以前は紙媒体の広告制作に携わっていたが、2009年にクロスリスティングにジョイン。インターネット業界に転職したきっかけは「自分の作った広告が、誰に見られ、どんな反応をもたらしたのか」を知りたかったから。現在、レモーラリスティングの運用コンサルティングや検索ログ分析を担当している。