アドテク市場の動向
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今のアドテクノロジーを過去から振り返ってみる

アドテクノロジー市場の動向

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このコーナーでは、近年盛り上がりを見せているアドテクノロジーについて、マーケター視点で記事を書いていきます。「2012年日本の広告費」(電通発表)では、インターネット広告媒体費の内訳に「運用型広告」という新しい分類が現れました。これは新しい広告手法が広がりつつある現状を踏まえたものです。明らかに今、インターネット広告業界には変化が起きています。今何が起きていて、これからどうなっていくのか、皆さんと一緒に考えながら、明らかにしていければと思います。

さて、第1回目の記事では日本のWebマーケティング市場の変遷を振り返りながら、アドテクノロジーの現状に至った理由や背景について解説します。次回以降の記事で、RTBやDSP、DMPといったアドテクロノジーの現状にフォーカスしていきます。基本的な情報だけでなく、実践で使えるネタも発信していきますのでご期待ください!

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画像引用元:インターネット歴史年表 – JPNIC

アドテクノロジーの歴史を知る

Webマーケティング、アドテクノロジーの始まりは、インターネットの普及とともにあると考えて良いでしょう。日本のインターネットは、ネット接続料金が定額になった1995年のテレホーダイ開始とともに普及しはじめました。

当時のWebマーケティングと言えば、ユーザーにいかにURLを覚えてもらうかでしたが、1996年のYahoo!Japan開始により、いかに検索ポータルでサイトを見つけてもらうかが重要になりました。当時の検索ポータルはジャンル別の各階層ページに人力でサイトを登録していく「ウェブディレクトリ」が主流で、ここに登録されることが最優先のマーケティング施策だったわけです。

2001年頃にはロボットが自動的にサイトを収集し、検索キーワードとの適合性やサイトの人気を考慮した検索結果を表示するGoogleが人気となります。Google等の検索エンジンにサイトを見つけてもらい、検索結果の上位に表示されるようにすること、いわゆる「SEO」がWebマーケティング手法で最も重要となっていきました。

一方、積極的な宣伝手法として、Yahoo!Japan、goo、excite、Lycos等のポータルサイトでバナー広告が販売されます。バナーの掲載期間と値段が予め決められているいわゆる「純広告」です。
2002年には、検索結果の上位に広告を表示できる「検索連動型広告(リスティング広告)」が日本で開始され、瞬く間にWeb広告のシェアの大半を占めるサービスとなりました。

Web広告市場はしばらく毎年二桁成長を続け、その間に、「テキスト広告」や「メール広告」、複数のサイトの広告枠を束ねた「アドネットワーク」、個人サイトやブログが広告を掲載して成果報酬をもらう「アフィリエイト広告」等、広告の種類も増え、さらにはGoogle AdWordsやYahoo!インタレストマッチ等による「コンテンツ連動型広告」、「行動ターゲティング広告(BTA)」といったターゲティング手法が出てきます。
しかし、リーマンショックによる不景気の影響もあり、Web広告市場は2008年にPCが一桁成長となり、2009年にはPCとモバイルを合わせてもほぼ横ばいになるなど、WEB広告市場の成長は明らかに鈍化しました。

アドテクノロジーの現在

ここまで説明してきた広告も、全てアドテクノロジーによって実現してきたと言えますが、ここからが進化を遂げた現在のアドテクロノジーの世界になります。

広告は露出のボリュームが大きいほど、売りやすく、買いやすい傾向にあります。これはボリュームが小さい広告を複数実施するのに比べて、売買や運用の手間を省くことができるからです。
その手間の解決策の一つとして「アドネットワーク」が存在しました。アメリカでは、日本よりも2年早い2007年頃に「アドネットワーク」が普及し、それ以降、束ねた広告枠の価値を上げるための広告技術が進化を遂げます。ターゲティング技術とリアルタイムで広告を自動売買する技術です。

「アドネットワーク」は、各サイトの広告枠の売れ残りやそもそも閲覧者の少ないサイトの広告枠を束ねているため、どこに広告が配信されるかが分からない上に、配信面の品質も高いとは言えず、高単価で売ることが難しい広告商品です。そこで配信面ではなく、広告を見る人(正確にはその人のインプレッション)を売る仕組みが考案されました。「オーディエンスターゲティング」という考え方です。

「オーディエンスターゲティング」では、広告枠のあるページを見に来た人が過去にどのような広告に関心を示したか、どのようなサイトを訪問しているのか、どのような商品を購入しているのか等の「オーディエンスデータ」を元に何の広告を見せるのかを瞬時に判断し、配信します。

さらにこの「オーディエンスターゲティング」をリアルタイムの入札方式で販売することで、市場競争を促し、高い単価を維持する仕組みが作られました。これが「RTB(リアルタイムビッディング)」です。

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画像引用元:Terence Kawaja’s IAB Networks and Exchanges Keynote

この「オーディエンスターゲティング」と「RTB」を実現するための技術が、現在のアドテクノロジーの主流といっても過言ではありません。これらの仕組みを構成する要素・役割は細分化され、各役割を果たすベンチャー企業が2009年頃に乱立しました。その様子を示したのが、あの有名な「カオスマップ」です。2011年には日本でも次々と「オーディエンスターゲティング」「RTB」に関するリリースがなされました。現在もまだカオスな状況は続いていますが、今後は合従連衡を繰り返し、数年後にはかなり淘汰されてしまうのではと私は予測しています。

「オーディエンスターゲティング」と「RTB」を構成する要素・役割については、次回以降に説明していきます。

トップ画像引用元:Human Evolution? / bryanwright5@gmail.com

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この記事を書いた人
岡野 敬太
岡野 敬太
2001年にNTTコミュニケーションズ(株)に入社、データセンター、ホスティングサービスの法人向け営業を経験した後、2005年以降、新規WEBサービス企画・開発の部署で、アフィリエイトサービスや音楽配信サービス、サッカーのモバイルコンテンツサービスの立ち上げに従事。2011年9月より、NTTレゾナント(株)から(株)クロスリスティングに出向し、同社事業戦略室ビジネスデベロップメントグループのマネージャーとして、検索ログを活用した新規事業開発を担当。リスティング広告コンサルティングおよび検索ログ分析を担当する同社営業本部コンサルティンググループのマネージャー等も兼務。