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keyword column 気になる旬の「検索キーワード」をピックアップして分析
2012年2月15日(水)

[第6回]
検索動向からみたソーシャル・ネットワーキング・サービスの動き

2月1日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手のFacebookが新規株式公開を申請しました。Facebookの株式時価総額は1000億ドル(約7兆6000億円)とも見込まれ、日本の企業ではトヨタ自動車に次ぐ2位のNTTドコモに並ぶ程だとのことです。

SNSの持つ力は、中東の民主化運動「アラブの春」において、民衆が連携し政府に対抗するために大きな役割を果たし、また我が国においては東日本大震災の際に現地情報や安否情報などを伝える貴重なメディアとしてその存在が際立ちました。
今回は我が国におけるSNSの動向を検索の視点から見ていきたいと思います。

現在国内で提供されているSNSは、地域系なども含めると相当数となっているので、ここでは特に代表的と思われる3サービス(「Facebook」、「mixi」、「Twitter」)に絞って見ていくことにします。

まず、3サービスの名称の検索数の動向を見ていくことから始めていきましょう。下の図1は、昨年4月から12月までの各サービスの名称の検索数の推移を表わしたものです。表記揺れの問題がありますので、ここでは該当期間における各サービス名で検索数の多い検索ワードの上位5番目までを集計の対象としています。
(※集計対象の検索ワードは以下の通り。「mixi」「ミクシィ」「ミクシー」「みぃ」「mixi ミクシィ」「facebook」「フェイスブック」「book face」「フェースブック」「faceboook」「twitter」「ツイッター」「ついったー」「tuitta-」「ついった」)

図1

さて、各サービス名の検索数の推移を見ていくと、見事に三者三様の呈となっています。国内大手の「mixi」では夏の頃から検索数の減少を示していますが、「Facebook」では逆に春以降一貫しての増加傾向となっています。また「Twitter」では若干の増減はありますが、期間を通してほぼ一定の水準内での変動という結果を示しています。

さて、ここで気になってくるのは各サービスの利用者数と検索数との関係です。具体的なサービス名を検索するという事は、何かしらによってそのサービスあるいはそのサービスに関連したものに触れ、少なからず興味を有していると言えるでしょう。したがって、検索数が多ければ多いほどそのサービスを利用しようと考えている人、あるいは既に利用を始めている人が多いという事を示しているものと理解できるでしょう。

このことを確認する為に、ネットレイティング社による各サービスの訪問者数を利用することにします。
(「最新SNS利用動向レポート」 ※「mixi」に関しては推定値を利用しています。)

図2~図4は、ネットレイティング社によるPCからの各サービスへの訪問者数の推定値の推移と、それぞれのサービス名の検索数の推移を月毎に示したものです。

図2 図3 図4

因みに、各サービスにおける検索数と訪問者数の相関係数は、「mixi」「Twitter」「Facebook」の順にそれぞれ、0.691、0.749、0.987となっており、こと「Facebook」に関しては非常に高い相関が見られます。

次に、「mixi」では月間ログインユーザー数(MAU)を公表しており、また「Facebook」のユーザー数についてはセレージャテクノロジー社によって推定が行われているので、これらのデータとサービス名の検索数の相関係数を算出して見ましょう。「mixi」のMAUと検索数で0.679、「Facebook」の推定ユーザー数と検索数で0.974となっており、ネットレイティング社のデータを基にした場合と非常に近い結果を得ました。
異なるデータを基にした場合においても同様の結果を得ることができましたので、公表データの無い「Twitter」についても検索数と登録ユーザーの関係性について概ね正しいものとして、以下進めていくこととします。

さて、上述の内容よりサービス名の検索数とアクティブユーザーには正の相関があるという事が分かりました。したがって検索数に増加傾向を見ることができる「Facebook」は、現在もなお成長路線にあると言って差し支えないでしょう。
一方で、検索数に減少傾向が見られる「mixi」や、ほぼフラットな推移を示す「Twitter」についてはどのように捉えるべきでしょうか?サービス名の検索数とアクティブユーザーの相関性から考えると、減退あるいは停滞しているという事になるのでしょうか? これらのことを探るために、以下においては各サービス名の共起ワードの内容を見ていくことにします。

下の図5~図7では、各サービス名を含む検索ワードを検索数の多い順位にピックアップし、その内容により分類した上で、2011年4月~2011年12月迄の期間と、6月、9月、12月の各時点における構成比の推移を示したものとなります。
これらのグラフではサービス毎にはっきりとした特徴が表われており、サービス名の検索数だけからでは分からなかったことが見えてきます。

まず「mixi」では、「ログイン」や「足跡」「裏技」が圧倒的に高い割合を占めており、この傾向は若干の変動はあるものの概ね落ち着いていると言ってよいでしょう。「ログイン」はさることながら「足跡」や「裏技」といったワードは既にサービスを利用中のユーザーからの検索であることを窺わせます。このような共起ワードが圧倒的多数を占めているという事は、サービス自体が成熟しているものと言えそうです。

図5

次に「Twitter」を見ていくことにします。「Twitter」では「検索」および「著名人」の名称が7割前後を占めており、既存のユーザーが多いことを窺わせます。ただし、つぶやきの閲覧や検索は会員登録をしていなくても利用できるサービスですから、一概にユーザーの増減については言えないのですが、「使用法/説明」に関するワードについては減少傾向が見られることから、成熟化の様相を呈しているように思えます。

図6

最後に「Facebook」についてですが、「使用法/説明」に関するワードの占める割合が高く「mixi」とは対照的となっています。グラフには示していませんが、「使用法/説明」に関するワードの検索数は「サービス名」と同様に増加の一途を辿っており、サービスへの関心が高いユーザーや新規エントリー層が多いことを窺わせ、やはり成長過程にあると言って問題はないものと思われます。

図7

以上、代表的と思われる3サービスについて検索という視点からSNSの動向を俯瞰してきました。SNSが消費者の生活に定着していることに疑いの余地はないと思いますが、今後どのような動きを示しいてくのか引き続き注視していきたいと思います。

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